新潟市文化会館 りゅーとぴあ視察報告

昨年7月になりますが、新潟市に視察へ行きました。
この視察は超党派の新人議員で企画し行った初めての視察でした。段取りが分からず、トラブルも少しありましたが、様々な意味で勉強になりました。

〖新潟市民芸術文化会館 りゅーとぴあ〗
日時:平成28年7月12日(月)
対応者:黒川正憲 文化スポーツ部文化政策課主査、 
    羽賀祥大 主事
    佐藤明 施設運営部長、
    石川尚朋 施設利用課長
    神田隆 議会事務局調査課主査 

[建設の背景と経緯]
昭和50年代末にホール不足などの理由により関係団体・市民団体等からホール建設に関する陳情を受ける。その後、昭和59年12月新潟市第3次総合計画の中に「市民文化会館」整備が盛られ、同63年「セントラルパーク基本計画の概要」で城山公園及びその周辺地区の整備構想が出され、建設基金の積立が始まった。平成4年3月議会で建設計画を発表。平成7年7月3日~工事が始まった。供用開始は平成10年10月22日。

[施設概要・事業内容]
 別添資料

[利用状況・事業実績]
平成26年度比、集客数13446人増の383272人、自主財源率3.2%増、公演回数81公演増、更に普・育成系事業のワークショップ・アウトリーチ回数についても普及系17回増、育成系8回増と昨年度を上回り目標を達成できている。
 しかし、施設管理の面では、総入館者数が1.3万人増加しているものの、貸館使用料は約330万円減少、3ホールの稼働率も目標達成できたのは劇場のみと低迷した。

[所感]
 多くの事業内容の中で大変興味深い内容が3点あった。
一つ目は、東京交響楽団による年6回の定期演奏会。東京交響楽団と準フランチャイズ提携をしている。東京公演と同じ演奏を新潟でしてもらうことにより、市民は東京に行かなくても豊かな音楽に触れることができる。
二つ目はジュニア音楽教室。ジュニアオーケストラなど、大抵は演奏ができる子を採用して育成していくことが多い中、新潟市では初心者でも音楽に入りやすいよう、楽器の無料貸し出しや各楽器の専門講師を置いている。
三つ目はわくわくキッズコンサート。コンサートホールで音楽に触れてもらう目的で市内の全小学5年生を年5回に分けて招待している。チケットは学校ごとに配布されるではなく個人ごとに渡される。それにより、学校単位ではなく、バラバラの座席になるため、隣の席や近い席の子は、他校の知らない子ばかりになる。自分でチケットを取ってコンサートに来た感じを味わってほしいという狙いだそうだ。
事業内容だけでなく他に設備でも、工夫している点が多いと思った。
例えば、能楽堂は、練習での使用頻度は低く、発表での使用が主だそうだ。稼働率を高めるため、舞台正面、松の鏡板と柱が外せるようになっている。鏡板を外すと竹の庭園になっており、更にその奥には茶室になる休憩室があるため、中庭を見ながら開放的な空間でお茶を楽みつつ休憩もできる。更に柱を外すと、柱で遮られることなく舞台が見えるので、全体が正面席になり、様々な舞台で使用できる。設計段階から機能的に使うことができるよう考えられている施設と、その機能を最大限生かしていく工夫があり、年々利用者が増加していると思った。   
【能楽堂:鏡板と柱をはずすことができる】

「りゅーとぴあ」、そして一日目に視察した「いくとぴあ」も『人を育てる』、『市民に喜んでもらう』というところを一番の目的にしており、そのためには、どうしなければいけないのか、自分達は何ができるのか職員も所管部署の壁を越え、指定管理者も含め、連携して密に話し合いをしていることが純粋に凄いと思った。
「そうしていかなければ、運営がたちゆかないだけです」と、控えめなお話だったが、毎年増加している入場者数に皆さんの努力が感じられた。
今回は、子育て、教育、健全育成に強い思いのある新人議員有志で超党派での視察だったこともあり、建物や事業内容はもちろんのこと、取り組む姿勢が大変勉強になった。
 解体が決定したはまホールが市民の声が集まり新設が決まった。今後の設計にも市民ニーズを多く取り入れて、使いやすく喜ばれる施設になってほしい。自分の活動の中でも声を聞きながら、今回の視察で学んだことを今後の活動に生かしていきたい。以上

【大ホール:音を吸収する椅子が使われており、一人でも満席でも(本番でも練習でも)音響が変わらない仕組みになっている。】
新潟市文化会館 りゅーとぴあ視察報告


 
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