犬山城・小牧城・清州城 視察

鈴木ゆきこ

2017年04月27日 13:39


昨年9月議会の質問のために、3つの城を視察した報告書。
ブログに写真が一枚しか載せられなかったが(私の技量で)、他にもお城までの動線が分かりやすくあらわされているところが多かった。
駅から城が見えない本市では動線をいかに引くかは重要だと考えている。
また、城公園内には、仮設のコーヒーショップはあるが、常設の飲食物販店が無かったことから、「峠の茶屋」のような、城の雰囲気を壊さない店がほしいと多くの方からご意見をいただいていた。
平成29年4月現在では、仮設のお土産店「虎の家とらのや」が設置されている。大河ドラマ「おんな城主 直虎」放映期間中とその後の経過を見ながら、今後については決定される。ドラマ終了後は、観光客は減少すると考えられるが、城公園は市民の憩いの場である。
それらを踏まえ、みんなが集まりやすく使いやすい場所としての整備も提案していきたい。


  


〖視察内容〗
浜松城の大きさと比較的似た城を3パターン選び観光、整備、道順など様々な角度から、城を中心にどのように街作りをしているか、一般質問の調査も含め視察した。

【犬山城】
天守は現存する日本最古の様式で国宝にも指定されている。周辺には犬山城下町の古い街並みや多くの観光施設が充実している。
天守だけではなく城場内には何ケ所か神社があり、ウォークラリーなども開催されている。
その一つに金を洗うとご利益があるという池がありお札を洗っている観光客で賑わいを見せていた。
休み処は近くに店舗も充実しており観光客の休憩場、一息できる場所がある。
天守を上ると最上階はひざくらいまでの高さの手すりしかついていないのにフェンスが張ってなかったことに驚いた。
お城は言うまでもなく建物自体が国宝なので見どころは満載だ。
駅から犬山城までの順路はわかりやすく大きな利点は駅から犬山城が見えるということだ。
【小牧城】
織田信長が桶狭間の戦いに勝利したのち築城した。現在の建物は1967年に建てられたものである。城の周りは浜松城と同じく公園になっており桜の名所としても知られる。
ここ最近小牧城で3段の石垣が発見された。これまでは安土城の石垣が初とされていたが、それより13年も前に築き上げられていたことがわかった。
その為小牧城にもこの発見とお城ブームの追い風にのって来場者が増えているという。
場内に入ると豊臣秀吉と徳川家康が戦った小牧・長久手の戦いを二つの画面からそれぞれの武将の顔を映し出しジオラマと連動しながら再現をしているので、臨場感が感じられ楽しませてくれる。
天守に上ると開けた展望で気持地が良い。案内人が鎧をかぶり歴史ロマンを面白く語ってくれ、信長が見たであろう同じ景色、この場所で天下統一を思ったのであろうと観光客を楽しい気持ちにしてくれる。
休み処は小牧山を下り、道路を渡るとアピタがある。
駅からはお城は見えないが工夫した案内標識がある。小牧城の歴史を辿っていくもので、一番から順番に読み進めていくと歴史を学びながら、お城へ着くようになっている。
【清州城】
清州城は尾張下四郡を支配する守護代織田家の本城、織田信長の居城としても有名で安土桃山時代の天正10年6月27日(1582年7月16日)清洲会議が行われた場所。
現在の城は平成元年に古城跡とは別の場所に建てられている。
歴史的に重要な城でも史跡が少ないため城の内部を最近1億円かけリニューアルしている。
1階~4階まで展示、体験、実演、映像紹介、大学生などが紙芝居を用いて清須会議の説明をするなど、知恵を出し工夫をしていることが分かった。
更に、ボランティアがアルミ材を用いて甲冑を手作りし、甲冑も着させてくれる体験コーナーもある。ボランティア武将隊など市と一体となり盛り上げている。
城内にも休憩場所があるがお城を出て大手橋を渡ると「故郷の館」があり観光客を休処となっている。
駅からはお城は見えないが、駅から城まで小さい看板が立っており、そのまま矢印の方向に向かって歩いていくとお城にたどり着くようになっている。
「清州城→」このような簡単な看板だが、適格な場所に立ててある為、とても分かりやすかった。
以上3つの城を視察した結果、共通するのが
・駅から城が見える。見えない場合、分かりやすく工夫した標識などで道順を示してある。
・城近くや道中に休憩所や飲食店がある。
・それぞれ城の特長を生かしながら、観光地としての賑わいを創出する努力が感じられる。
ということだった。
ここで浜松の特性を挙げてみると、
・浜松城には野面積みの史跡が残っている。
・三方が原の合戦、徳川家康の出世城として知られている。
・ゆるキャラグランプリで家康君がナンバー1になった。
・政令指定都市
・2017年大河ドラマ「おんな城主直虎」放映決定。
これらを考えると浜松は、かなり条件が良いと感じた。
【所感】
大河ドラマ放映を機に観光客の増加が見込まれる為、浜松市は、浜松へ車で来た場合の標識は増やしていく計画だ。しかし、公共交通機関で浜松に来た観光客には、標識や案内を含め、少なく分かりにくのではないかと常々考えていた為、駅から城までの整備を含めた浜松城と公園整備について、他都市と比較するため視察した。
やはり、浜松は看板や標識、飲食ができる休憩場所が少ないと感じた。観光に行った時、その土地の食べ物やお土産を買いたいと思う人は多い。更に城に行く人は、歴史に触れ風情を感じたい思う人が多いと考えられる。
だからこそ、行って良かったと思ってもらうには、城だけでなく、その周辺の整備は大切になってくる。「浜松」=観光とイメージさせることができるようになるには、まだ時間がかかると思う。しかし、すぐ先を見るのではなくこれからの観光都市「浜松」に繋げていく為にも、今こそ改善が必要だ。今回の調査を元に、次回の質問では経過を見ながら、改善を実行してもらえるような、掘り下げた質問をしていきたい。

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